「売上が伸びない」と思って、マーケティングを調べてくれた方が多いと思います。
この記事では"マーケティング"という概念を解説するつもりはなく、「マーケティング思考」を身に着けて今やっているビジネスの集客が上手くいき、売上が上がるようにするための戦略を自分で立てられることをゴールとします。
こんな方におすすめ
- ・売上が伸びないとき
- ・消費者のニーズが捉えられないとき
- ・自分でいいと思った集客方法が外れたとき
今までマーケティングを一度も学んでこなかった人が0から学べるように専門用語を伏せて、説明していきますので具体的なステップに沿って「マーケティング戦略」をどのように立てれば良いかをご紹介します。
マーケティング戦略とは何か
弊社では、マーケティング戦略を"売れる仕組みを作る基盤"と定義しています。
USJをV字回復させた伝説のマーケッター・森岡毅さんは自著でシンプルにこう説明してます。
『商品を売る』のは営業の仕事、『商品を売れるようにする』のがマーケティングの仕事。
僕なりの言葉に言い換えると、
お客様が「あなたの商品が良いんです」と勝手に自社商品・サービスを選んでくれる状態をつくる。
ということです。
そのためには、
●誰に
●どんな価値を
●どのように提供するか
を定めなければ絶対に売れません。
「YouTubeが流行ってるから使った方がいいのでは?」
「ホームページは古い!時代はオウンドメディアだ」
「SNSにもっと力入れよう…!」
という声もよく聞きますが、これらはあくまで戦術であり、手段です。マーケティングの一部ではありますが、マーケティングの本質とはズレています。
消費者の心理を徹底的にリサーチすること
多くの会社が間違えてるのは、自分たちが満足いく商品ができたら売れる!と思っている点です。
例として、日本のノートPC業界についてお話します。
日本のノートPC開発メーカはこぞって「最軽量530g達成!」みたいな、どこのメーカーよりも重量を軽くすることに拘っています。果たしてこれは正解でしょうか…?
これ、マーケティング的には大失敗。
なぜなら消費者は、重量のたった10gの差を言われてもピンと来ないから。
ここが提供者と消費者の大きな感覚のズレです。
お客様が「あなたの商品が良いんです」と勝手に自社商品・サービスを選んでくれる状態にするなら、まず"消費者はノートPCに何を求めているのか?"を徹底的にリサーチしておくことです。
①ノートPCの選び方に悩んでいる人はどれくらいいるのか?
②ノートPCに何を求めているのか?
最低でもこの2つはリサーチをして下さい。
上記をカンタンにリサーチした結果がこちらです。
①ノートPCの選び方に悩んでいる人はどれくらいいるのか?
これはGoogleで"ノートパソコン 選び方"でどれくらい検索されているのか?を調べた結果です。
Google広告のキーワードプランナーというツールを使えば、誰でも調べられます。しかも無料。
月間で9,900人なので、年間にすると11万8,800人もいてることが分かりますよね。
ノートPCの平均単価は約10万円とすると
"ノートパソコンの選び方が分からない層"の市場は119億円です。
シェアを0.5%でも獲得できると売上6億円の企業です。
②ノートPCに何を求めているのか?
次に消費者がノートPCに何を求めているのか?をカンタンに調べました。
どちらもアンケート結果がマイナビニュースさんの引用なのですが、
引用:マイナビニュース
引用:マイナビニュース
この2つの結果を見ただけでもわかると思うのですが、
最重要項目は断トツで"価格"だったんですね。
つまり、ノートPC販売メーカがこぞって競争を繰り広げた"重量"はマーケティング観点で言うと、おおきく外してるわけではないですが最善ではないのです。
この①と②をしっかり消費者視点で見たノートPC開発会社があります。
性能が高いのに低価格、サポートしっかりで安心の完全国産PCブランド。
次々と大手メーカがノートPC事業から撤退していく中で右肩上がりで業績を伸ばしてきた企業、それがマウスコンピューターです。
小松社長が「マウスと同じように、人とPCの橋渡しを行ない、つねにお客様の視点から、より快適なPC環境作りに役立っていける存在でありたい」という意味を込めて付けた社名だそうです。
業績計画を見ても、3期連続で過去最高売上・最高益を達成しています。
これがマーケティングの力です。
マーケティングとは決して難しいモノではなく、
消費者の心理を徹底的にリサーチすることを心掛ければ自然とお客様に選ばれるようになっています。
USJの森岡毅さんもV字回復を実現させたことを、このようにまとめています。
「消費者視点という価値観と仕組みにUSJを変えたこと」
ビジネスは"消費者視点がすべて"です。
マーケティング戦略立案の8STEP
ここまでマウスコンピュータのマーケティング戦略を元に解説してきました。
「自分のビジネスではどうやって応用すればいいの…?」という声が聞こえるので、マーケティングフレームである4P分析と4C分析をベースにしてマーケティング戦略を考えましょう。
弊社では
●4P分析:自社商品・サービスの良さを「売る側の視点」から分析する
●4C分析:自社商品・サービスの良さを「買う側の視点」から分析する
として活用しています。
■4P分析「売る側の視点」=サービスの特徴
・製品(Product)
・価格(Price)
・流通(Place)
・販売促進(Promotion)
■4C分析「買う側の視点」=消費者のメリット
・顧客価値(Customer Value)
・顧客にとっての経費(Cost)
・顧客利便性(Convenience)
・顧客とのコミュニケーション(Communication)
この4P分析と4C分析は、下記のように呼応しあっており、
自社商品・サービスのマーケティング戦略の見直しに最適です。
4P分析 | 4C分析 |
製品(Product) | 顧客価値(Customer Value) |
価格(Price) | 顧客にとっての経費(Cost) |
流通(Place) | 顧客利便性(Convenience) |
販促(Promotion) | 顧客とのコミュニケーション(Communication) |
この方法はあくまで"自社マーケティングの見直し"に活用するものですが、 今後もっとマーケティング戦略を練っていく上で必要不可欠なので今の時点でしっかり練っておきましょう。
【BeatAway】マーケティング戦略の実践手順
では4P分析と4C分析を組み合わせた8STEPを実際に弊社が実践。
この方法の何が素晴らしいかというと"消費者視点を無しには完成しない"ことです。 売る側の視点で4P分析しか考えないと、売れない営業マンの代表例である"自社商品・サービスの特徴しか説明しない"が出来上がってしまうので4C分析が必須なんですよね。
何もない所に書くのはとても難しいので、整理するための表を用意してパソコンではなく紙に書きだしていくことをオススメします。(※プリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校が行った共同研究で、手書きが圧倒的に記憶に残りやすいことが証明されています)
下記が弊社のビジネスを8STEPに当てはめたモノです。
僕がWEB広告代理店出身のため、「BtoC向けのサービスを行っている事業者のマーケティング支援企業」がBeatAwayのサービス軸です。
広告運用でバリバリBtoCサービスを売っていたので、
・マーケティングを基盤としたセールスライティング
・セールスを理解した上でのマンガ作成
が売りです。
ただコレを「マンガとセールスライティングができます」と伝えても、お客様はピンときません。
ただ4C分析のメリットを見ると「売上も上がるし、社内にノウハウとして残るのか、、回収も早そうだしトータルで考えると安いなぁ」と考えてもらうことができ"わたしのための商品だ!"と思ってもらえる可能性がグッと高まります。
少し話がそれますがマーケティング戦略で"消費者理解"ができたら、消費者と売る側をつなぐコトバを作るだけです。
それがセールスライティングです。売るための力ではなく"分かりやすく商品・サービスが必要なんだと伝えるツール"です。
そのツールを最大限に活かすには、上記の4C分析で先に記載すること。消費者に刺さるコピーが生まれます。
マーケティング=消費者理解
マーケティング戦略を"売れる仕組みを作る基盤"と定義しました。
その中でも、マーケティング=消費者理解であり、顧客のニーズを最優先に考えることが大切です。
上記で説明してきた8STEPの中の4C分析は"消費者視点"を見える化するものであり、売る側の考えは一切入れてはいけません。
今まで業界で培ってきた常識や固定概念が最も邪魔をします。一旦、フラットにして泥臭くリサーチをすることで「顧客がどのように判断するのか」も意識しましょう!
マーケティング=消費者理解
これを忘れず、マーケティング戦略を考えてください。今回の8STEPが誰でも作れるように下記URLからGoogle版パワーポイントからダウンロードできるようにしています。Googleのアカウントさえあれば使えるのでぜひ社内で真っ先にマーケティングを理解し、会社の売上向上に貢献してくださいね!