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⑮猿の部長

 

目が覚めると会社の部長以上が“猿”というパラレルワールドに飛ばされた
マーケティングのプロ「滝川啓輔」
社長からの課題1年間で10億の利益を
この部長以上がサルという世界で達成できるのか。
SF小説のようであり、マーケティングを学べる
一石二鳥かそれ以上の価値がある小説です。

~感想~
マーケティングが学べる猿の惑星?と言えば良いのか。
何とも例えようが難しい小説でした。

今までビジネス書やマーケティング関連の本を読んで
上から目線で理論だけを書かれてもわかりにくい。
マーケティングの実例があればわかりやすいのに。
など机上の空論が書き連ねられた
ありきたりなビジネス書に辟易していた方には特におすすめの1冊です。

 

事業が赤字→サルが主人公に現状を説明→マーケティング戦略を授ける→事業V字回復
大枠のストーリーはこんな感じですが
滝川が提示するマーケティングの手法が
ケースバイケースで的を得ているのでとても分かりやすくマーケティングを学べました。

それでいてSF小説としてのクオリティーの高さも必見です
まずは世界感でインパクトを与える。

次いでマーケティングの話を展開しながら
世界の謎、猿が台頭した謎などを解決に導く伏線がちりばめられていく。

そしてマーケティングを活用して利益を出しながら、伏線も回収していく。

最終的な利益はどうなるのか、滝川は元の世界に戻れるのか…。

ストーリーの構成がとてもうまくて読めば読むほど
「おもしろい、勉強になる、おもしろい、勉強になる」の繰り返しでした(笑)

~内容~
大まかなあらすじは先述した通りですがもう少し詳しく紹介していきます!

部長以上が猿の世界ではいろいろな猿が登場します。
メガネザルやキツネザルなどなど
そんな猿の部長達は皆事業の赤字で悩んでいます。
赤字で悩む猿って斬新すぎますよね(笑)

しかし彼らは決して仕事ができないということではありません
なぜなら、この世界では
ビジネスにおいてのみ、人よりも猿のほうが優れているからです。
そしてそれぞれの猿が思うマーケティングをすでに実践をしています。

例えば
・競争戦略
・フランチャイズビジネス
・SWOT分析
・市場規模の予測
・サプライチェーン・マネジメント
・PLC理論

これは猿たちが実践していたマーケティングの一部です。
人間にも難しそうなことを猿たちが良くできたものです。

しかし猿たちは各手法の本質と意味を理解せずに使っていました。
そのせいで結果を出せず、赤字に悩んでいるのでした。
皆さんの中にもこの猿たちと同じ状況の方も多いのでは?

猿たちの間違いを正し、かつ新たな提案を繰り出す滝川
まさに猿でもわかるマーケティングを教えてくれます。

マーケティングの勉強ができる。SF小説として面白い。
この小説のもう一つの見どころは
何と言っても猿の存在感!

この世界の猿たちは人間の事を馬鹿にしています
猿に馬鹿にされています…。
そして人間たちも猿には敵わないとお手上げ状態…。
そんな世界だからこそ、歴史は猿のいいように書き換えられています。


サルカニ合戦はタコカニ合戦

サルも木から落ちるは人間もホームから落ちる

他にもいろいろなことが猿の都合のいいように変換されています。
そんなちょっと辻褄の合わないところも見どころです!

 

~まとめ~
マーケティングを勉強したいけど、ビジネス書を読むのは苦手
手軽に勉強したいという人には本当におすすめです!

マーケティングには全く興味がありません
小説を読みたいだけですという方には少ししんどいかも…。
ストーリーだけでも十分面白いので挑戦してみてください!

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